つや姫の生育状況や田んぼでの作業の様子、実際作付けしている生産現場から生産者の生の声をレポートしていきます。
2023.01.31
令和4年の「つや姫おいしさの神コンクール」で見事ゴールドマイスターに輝いた金山町の松澤信矢マイスター。本日は、松澤マイスターに「つや姫」栽培の秘訣を伺いました。
「昔から苗半作と言ったでしょう。苗づくりで稲の良し悪しが半分決まるって。でもそれは昔の話で、今は苗づくりの重要性が8~9割くらいまで上がっていると思うんだ。田植え後に暑さや寒さ、少々の日照不足などの稲の生育にマイナスな要素となる気象がきても、「丈夫で健康な苗」を作ればそれをクリアできる稲になるんだよ」と話す松澤マイスター。育苗温度や灌水などきめ細かな管理はもちろんのこと、松澤マイスターの苗づくりは、さらにもうひと手間加えます。動力散布機(本来は風圧で田んぼ全体に肥料を散布する農機具)で起こした強風を苗に吹きかけて朝露をとばしたり、ローラーを使って何度も苗をなでつけたりと、あえて苗に「ストレス」を与えます。そうすることで「丈夫で健康な苗」に仕上がるそう。
また、苗の栄養となる肥料にもこだわります。稲の体を硬く丈夫にする効果のあるケイ酸やリン酸を積極的に与え、田植え直前には稲の体をつくる栄養素である窒素を施します。「このひと手間があるから、苗はしっかりと根を張り、田んぼの肥料を余すことなく吸ってくれる。だからどんな気象でも、田植え後の生育が順調で、収穫まで元気に育つ稲になる。」と自信に満ちた表情で話してくれました。
雪が融けると間もなく、松澤マイスターの苗づくりが始まります。令和5年の目標を伺ってみると、「ゴールドマイスター2連覇!」と自信とやる気に満ちた笑顔で宣言されました。松澤マイスターの2連覇なるか!?「令和5年産『つや姫』おいしさの神コンクール」にも注目が集まるところです。
【最上農業技術普及課】
2022.11.22
今年で2回目の開催となった「つや姫」おいしさの神コンクール。今年は45名のつや姫マイスターから応募があり、各地域の予選を勝ち抜いた9点の「つや姫」を東京第一ホテル鶴岡に集め、マイスターによる決勝審査会を行いました。
このコンクールは、マイスター自らが食べて審査を行い、今年一番おいしい「つや姫」を決めるものです。生産者名を伏せて審査しますので、マイスターの皆さんは「自分の『つや姫』があるかもしれない」中、真剣な表情で審査に臨みました。
今年は、サッカーワールドカップのように予選グループにおける代表選抜を行ったうえで、決勝審査が行われました。決勝審査に残った3点はまさに実力伯仲!得票数はほぼ同数でしたが、わずかな差で、ゴールドマイスターは金山町の松澤信矢さんに決まりました。2位のシルバーマイスターは舟形町の豊岡学さん(豊岡さんはなんと昨年も2位!)、3位のブロンズマイスターは村山市の柴田清志さんに決まりました。
参加したつや姫マイスターの皆さんは、受賞された方の栽培概要を確認しながら、翌年のおいしい「つや姫」生産に向け決意を新たにしておられました。
【県産米ブランド推進課】
2022.11.22
「つや姫」おいしさの神コンクールと同日、同会場において、「ブランド米産地生産者交流会in山形~つや姫と青天にサキホコレ~」が開催されました。タイトルどおり、山形つや姫マイスターと、今年デビューの新品種「サキホコレ」に期待を寄せる秋田県、「青天の霹靂」に続き令和5年の「はれわたり」デビューを控える青森県、東京都調布市のお米販売店 株式会社山田屋本店の秋沢毬衣さんをお呼びし、県域を越えた情報交換のイベントとなりました。
交流会では、山形県のつや姫マイスターの取組み(鈴木マイスター会長)、青森県の衛星データを活用した生産支援(青森県・小野主査)、秋田県の「サキホコレ」生産への取組み(JA秋田おばこ・桜庭係長)の事例発表や、最近の米消費動向に関する情報提供(山田屋本店・秋沢さん)が行われました。その後、パネルディスカッションにおいて、各県の取組み事例への質問・回答や意見交換が行われ、参加した方からは「とても有意義な交流会だった」との声が多く聞かれました。
今後も良食味米・ブランド米生産に向け、産地生産者間の情報交換と研鑽を続けていきます。
【県産米ブランド推進課】
2022.11.08
今年度も、山形つや姫マイスターの会において「『つや姫』おいしさの神コンクール」が開催されます。このコンクールでのメダル受賞は、「つや姫マイスター」最大の栄誉といえるものであり、全マイスターにとってゴールドメダル受賞は悲願となっています。
置賜地域つや姫マイスターの会では、置賜ブロックからのコンクール本選進出者を選抜するため、11月8日に選考会を行いました(つや姫マイスター9名参加)。各マイスターより出品された「つや姫」を品質分析によって4点に絞り、実際に食べ比べたうえで、上位2点を決定。「お米の粘りが良い」「うまみが際立っている」など高評価の意見が寄せられた遠藤五一氏(高畠町)と金子和徳氏(高畠町)の「つや姫」が選出されました。
【西置賜農業技術普及課】
2022.10.28
「今年は長雨や日照不足と難しい天気だったけど、つや姫の出来は心配してなかったね。」と語るのは新庄市のつや姫マイスター増川正之さん。お話を伺うとその技術力の高さを垣間見ることができました。
前年、収穫後の稲わらを圃場に均等に散らすことから始まり、ケイフンや土壌改良資材を積極的に使った土づくり、稲がたくさんの根を伸ばすことができるように深めの耕起、健苗育成、好天を見計らって適期での田植え、田植えは苗の根付きが良くなる浅植え、きめ細やかな水管理、田んぼのワキ(土が異常還元を起こし、稲の根が弱る現象)を見越した田干し、稲の生育程度を考慮した適度な中干し、追肥のタイミング、登熟状況による刈取適期の見極めなど・・・それぞれは基本的要素ですが、それらすべてを徹底できることに増川マイスターの技術力の高さと、稲作に対する真摯さが伺えました。また、「今年は日照が少なくて登熟がゆっくりだったから、登熟を促すために圃場に水を入れる期間も少し伸ばしたよ。それも良かったね。」と変動が大きい気象に合わせた管理の徹底ぶりでした。
「品質が良く、美味しいつや姫を作りたい。」という増川マイスターの思いが姿勢や行動から伝わってきました。
【最上農業技術普及課】
2022.09.25
山形「つや姫」「雪若丸」ブランド化戦略推進本部では、「つや姫」「雪若丸」の生産者と県内の消費者との交流を図るため、小学生のお子さんがいる親子向けに「稲刈り体験」と「新米試食」を行うバスツアーを開催しました。
この日、山形駅を出発したバスに乗車した参加者の皆さんは、白鷹町の船山隼人マイスターの「つや姫」の田んぼへ向かいました。船山マイスターから「本日はからっと晴れ、絶好の稲刈り日和!つや姫はちょうど刈取りの適期となりました。稲刈り体験後の新米試食も含めて楽しんでいただければと思います!」とあいさつがありました。
稲刈り体験は、鎌を持って手刈りで稲をザクザク。最初は戸惑う姿も見られましたが、慣れてくるとすいすいと一気に刈り取る参加者の皆さん。その後、コンバインの操作体験をさせてもらい「貴重な体験で楽しかった」との声が聞かれました。
最後に、新米「雪若丸」のおにぎりと芋煮の試食。参加者からは「新米の雪若丸おいしい」「(白鷹町風の)大根入りの芋煮初めて食べたが、味が染みていておいしい」との声があがりました。
収穫の秋!味覚の秋!おいしい新米、どんどん食べてけろなっす!
【県産米ブランド推進課】
2022.09.12
「ゴールドマイスターはいただいた!」と、今年度の「おいしさの神コンクール」への意気込みを語るのは寒河江市のつや姫マイスター土屋喜久夫さん。昨年から始まった、一番おいしい「つや姫」を作ったマイスターを決めるコンクール出品への熱い思いが伝わってきます。
土屋マイスターは、「つや姫」の美味しさに惚れ込んで、常に食味向上を追求している生産者の一人です。「今年は6月上旬の低温、7月中旬の日照不足、8月の日照不足と稲の生育には厳しい気象が続いた。毎年、気象条件が様々変わる中で、安定しておいしい『つや姫』を作るには、稲の状態に合わせたきめ細やかな管理が重要。今年も最高の『つや姫』が出来そうだ。これからもおいしい『つや姫』を地域全体で作れるように頑張っていきたい。」と収穫作業のスケジュールを組みながら、熱く語ってくれました。
出穂の早かった品種から稲刈りはスタートしており、『つや姫』は9月21日から収穫予定です。皆さん、今年のおいしい『つや姫』まで、もう少しお待ちください!
【西村山農業技術普及課】
2022.09.09
鶴岡市丸岡(旧櫛引町)のつや姫マイスター鈴木仁さんの田んぼで、「雪若丸」の稲刈りが始まりました。
今年は、6月の低温や8月の日照不足など、稲作にとっては大変厳しい気象条件に見舞われました。「今年はお米が実るスピードが例年より少し遅い。ただ、稲刈りは、適期(一番良い時期)を逃すと品質が低下してしまう。いつから稲刈りを始めるか悩んでいる生産者が多いと思うが、自分が率先して稲刈りを始めることで、地域の皆さんが稲刈りを始める参考にしてもらえれば・・・。」と鈴木マイスター。
就農して5年目になる息子の和也さんは、今やあらゆる場面で欠かせないパートナーとなりました。和也さんには、仁さんが磨いてきた栽培技術の伝授に加え、スマート農業技術(衛星画像データを活用した稲の生育診断技術)も積極的に活用した管理をすすめています。
「つや姫」の稲刈りは9月15日頃から始める予定です。自ら培った「目」と「スマート農業技術」を武器に、高品質と良食味につながる最高のタイミングで稲刈りをすすめていきます。
【庄内農業技術普及課】
2022.08.31
山形市みのりが丘にある農業総合研究センターでは、「つや姫」「雪若丸」の生育に関する情報を逐次提供しています。
田植後の6月上旬は曇天で気温の低い日が多くなりましたが、7月に入ると晴天の日が多く、順調に生育し、「雪若丸」は8月1日、「つや姫」は8月10日と概ね平年どおりに穂が出ました。
穂が出てから収穫まではお米が実る登熟(とうじゅく)の時期で、お米の品質と食味を左右する大事な期間です。今年は穂が出たあとに気温の高い日が続きましたが、きめ細かな水管理をはじめとした丁寧な管理により、ここまで順調に実っています。
当センターでは早生品種の収穫が始まっており、「つや姫」と「雪若丸」も間もなく収穫の適期を迎えます。今年もおいしい「つや姫」と「雪若丸」をお届けできるよう、登熟の状況や収穫のタイミングなど現場で役立つ情報を発信していきます!
【農業総合研究センター】
2022.08.09
今年から新たに「つや姫マイスター」になられた酒田市の小野貴之さんは、JA庄内みどり「本楯地区つや姫研究会」の会長として、栽培管理についてアドバイスを求められるなど、地域においても厚い信頼がある若きリーダーです。
今年は、7月上旬から8月上旬にかけて気温が高く晴天の日が多かったことから、「つや姫」は平年よりやや早い8月9日に穂が出ました。連日の暑さの中、小野マイスターも「生育と天候に合わせたこまめな水管理や肥培管理に細心の注意を払っており、順調な出穂を迎えほっとした。」と笑顔で話してくれました。
酒田飽海地域では、無人ヘリ(ラジコンヘリコプター)を使用した広域的防除によって、病害虫の被害を低減しています。この時期、小野マイスターも地区の無人ヘリのオペレーターとしての役割を担い、朝5時から夕方5時まで防除作業に携わっています。品質の良い、最高の『つや姫』を全国の皆さんに届けるため、今日も頑張っています。
【酒田農業技術普及課】
2022.07.27
置賜地域つや姫マイスターの会では、他地域の「つや姫」栽培の取組みを学ぶため、7月27日に舟形町(最上地域)と河北町(村山地域)のつや姫マイスターの田んぼを巡る研修を行いました。
舟形町では、昨年(令和3年)度、「つや姫」おいしさの神コンクールでシルバーマイスター(第2席)に選ばれた豊岡学マイスターの田んぼを訪れました。土の質に合わせた肥料設計や田んぼを深水にし、茎を太く育てるこだわりなど、豊岡マイスターの技をお聞きすることができました。
次に、河北町へ南下し、株式会社奥山農園代表取締役、奥山喜男マイスターの「スマート水管理システム」導入実証圃場を見せていただきました。米づくりの中で日々の水管理は、大切な管理であると同時に多くの労力を割かれます。このシステムを導入することにより、スマホやタブレットでの水位把握、遠隔操作での自動給水で労力軽減が図れるため、導入に興味を持つマイスターが多くみられました。
夏空が広がる中、この研修でつや姫マイスターお二方の素晴らしい米づくりの技やスマート農業への新たなチャレンジを学ぶことができました。
置賜地域つや姫マイスター、一人ひとりが「つや姫」のおいしさを極めること、自身の農業経営の発展について気持ちを新たにしたようです。つや姫マイスターの方々の笑顔での交流とともに、大変有意義な1日となりました。
【西置賜農業技術普及課】
2022.07.25
農業総合研究センター水田農業研究所(鶴岡市)では、水稲の「奨励品種決定調査」を行っています。奨励品種とは生産・流通対策上、主力品種として県が奨励する品種のことです。例えば、県内で広く栽培されている「はえぬき」や「つや姫」「雪若丸」などが挙げられます。毎年、まだ名前のついていないたくさんの稲の収量性・品質・食味などが調査され、良い成績を残した稲だけが、奨励品種の候補として残っていくことになります。コシヒカリの先祖となった「亀の尾」が山形県の奨励品種に採用されたのは大正3年(1914年)なので、なんと!この制度は100年以上も続けられていることになります。
さて、奨励品種決定調査の田んぼでは、毎年7月に「幼穂(ようすい)調査」を行っています。幼穂とは幼い穂のことで、「穂の赤ちゃん」といってもいいかもしれません。幼穂は、少しずつ大きくなって稲穂となって出てきますが、その稲穂になる途中の大きさを測ることで、穂が出る何日前かを予想することができます。山形県では幼穂の成長にあわせた栽培指導を行っており、「幼穂調査」によってその時期を逃さないようにしています。写真1は、7月21日に観察した「つや姫」の幼穂です。幼穂の長さから、穂が出て20日前とみられ、8月10日頃に穂が出ると予想することができました。
写真2は奨励品種決定調査を行っている田んぼの様子です。圃場の手前には「つや姫」と「雪若丸」のロゴマークの田んぼアートを作っており、見頃を迎えております。当研究所にお越しの際は是非一度ご覧ください。
【水田農業研究所】
2022.07.06
もうすぐ、稲穂が出る時期となりました。これからの時期、米づくりにおいて最も問題となるのは、稲穂の汁を吸う「斑点米カメムシ類」と呼ばれるカメムシの存在です。このカメムシらが稲穂の汁を吸うと、お米に黒い斑点ができてしまい、品質が落ちる原因となってしまいます。斑点のついたお米は食べても問題はないのですが、黒っぽく、見た目が悪くなってしまうからです。
この日、「村山地域カメムシ被害防止対策広報キャラバン」が開催され、生産者、JA、市町村担当者など40人ほどが、村山市のつや姫マイスター柴田清志氏の「つや姫」の田んぼに集合しました。柴田マイスターから「被害防止・品質低下防止に向け、草刈りの徹底や適期防除で、地域全体で被害をなくす」と力強い決意表明が行われました。その後、広報車が列になってカメムシ被害防止の呼びかけに出発しました。
【北村山農業技術普及課】
2022.06.16
新庄市の鈴木崇志さんは、今年度新たに「つや姫」マイスターとして委嘱を受け活動を開始しました。
現在、鈴木マイスターは親子二人三脚で水稲20haを作付けしています。毎年1~2ha作付面積が増加しており、病害虫防除用のドローンを導入するなど、スマート農業にも取り組みながら生産性の向上に努めています。
また、JA新庄市の青年部委員長として、地元の小学生に米づくりを教えるなど食育活動にも積極的に取り組んでいます。まさに地域農業をけん引する若手生産者のリーダー的存在です。
現在の「つや姫」は、田植え後の天候の影響で生育がやや遅れているものの、「つや姫」生産者の模範として、朝晩の水回りや畦畔の草刈作業など基本的な管理もかかさず行い、品質が良く美味しい「つや姫」を作りたいと語ってくれました。
若き鈴木マイスターの今後の活躍に期待です!
【最上農業技術普及課】
2022.06.03
田植えが終わり、稲の分げつが進む6月3日、鶴岡市において庄内地域つや姫マイスターの会研修会が開催されました。
研修会の内容は、庄内地域全域で実証を行っている「衛星リモートセンシング技術(衛星画像データを用いた『つや姫』の生育診断技術。通称『スマートつや姫』)の活用について」です。参加したマイスターの皆さんには、それぞれスマートフォンやタブレットで生育診断の状況を確認する等、「スマートつや姫」を体感していただきました。
若手マイスターの関心は特に高く、「現場での活用が期待できる。ユーザーインターフェースをもう少し改良できれば、操作性が良くなり活用する人が増えてくると思う。」といった意見も出されました。
「スマートつや姫」の活用は、食味・品質をさらにグレードアップし、産地の評価向上と生産者の所得向上につなげられるものと、マイスターの皆さんからの期待が膨らんでいます。
【庄内農業技術普及課】
2022.05.27
山形市みのりが丘にある農業総合研究センターでは、毎年5月20日に同じ田んぼに「つや姫」「雪若丸」の田植えを行っています。これは、その年の生育が過去の年次と比べて良好かどうかを判断するためであり、10日ごとに生育状況を調査・診断し、県内の生産者や現場指導者の皆様に情報提供を行っています。
今年は、育苗期間中に雪が降ったこともありましたが、苗の生育は概ね良好で、充実した良い苗となりました。田植え直後は雨や曇りの日が数日続きましたが、その後好天に恵まれ、順調なスタートとなりました。
今年も、おいしい「つや姫」「雪若丸」を届けられるよう、生産者や現場指導者の皆様が必要な情報を、タイムリーにお伝えしていきます!
【農業総合研究センター】
2022.05.13
河北町のつや姫マイスター牧野聡さんは、地域きっての大規模稲作農家です。また、「つや姫」の美味しさに惚れ込み、2010年のデビュー以来、熱心に「つや姫」の食味向上を追求している生産者の一人でもあります。作付けするほ場の土壌の特性を考慮して肥料設計を組み、水田の耕起作業や、播種作業の一つ一つを丁寧に行い、最高の「つや姫」を生産するために手を抜くことはありません。「苗半作」という言葉を念頭においた苗づくりにも余念がなく、丁寧な温度管理や水管理を行い、今年も立派な苗に仕上がりました。今年は5月15日から田植えを行う予定です。
「近年は育苗期間好天に恵まれ、苗の生育は旺盛なので、なるべくハウス内の温度が高くならないよう管理して、苗丈の伸び過ぎに注意している。田植え後の生育を良くするために、田んぼの“ワキ(※)”対策が重要。前年の稲刈り後に耕起し、稲わらの分解を早める資材を散布するなど、しっかりと対策を行うことができた。」と牧野マイスター。
消費者の方々からの「美味しい!」という声を聴けるよう、今年も最高の「つや姫」生産に力をいれています。
※ワキ・・・田植え後温度が高いと、土壌中が極端な酸欠状態となり、稲の根が傷み、生育がすすまなくなること。
【西村山農業技術普及課】
2022.04.26
酒田市落野目の佐藤純(あつし)さんは、平成22年の「つや姫」本格デビュー時から栽培を開始し、令和3年からつや姫マイスターとして活躍しています。「つや姫」の作付面積のうち30aは農薬や化学肥料を使用せずに栽培しており、直接販売のほか、ふるさと納税の返礼品にも出品しています。
田んぼの耕起作業を終え、ハウスで育苗の管理を行っている佐藤マイスターを訪ねると、「種が発芽する力の強さを感じるの~。米づくりには、イネの生育する環境を整えるため田んぼを耕す深さを十分に確保することや、土づくりなど、目に見えない大切なことがたくさんある。その意味や効果を考えながら大事に栽培していることが、食べてくれる皆さんに伝わるとうれしいの~。」と、時折笑顔を見せつつも真剣なまなざしで話してくれました。
「同年代の大規模生産者との交流は、情報や刺激を常に与えてくれる。」そう話す佐藤マイスターには、3人の子を持つお父さんとしての横顔も。地域の中核的な農業者として、今日も田植えの準備に余念がありません。
【酒田農業技術普及課】
2022.04.20
この4月から新たに、県産米販売・PRスタッフ「つや姫レディ」として活動している、結城こずえさんと髙橋亜里紗さんの二人が、鶴岡市の水田農業研究所を訪問し、「つや姫」「雪若丸」の開発について研修を受けました。
初めに、新しい品種を開発するための試験を見学しました。新品種開発にあたっては、収穫量や品質、味に関する試験はもちろんのこと、病気に対する抵抗力や、高温・低温に対する強さなども調べ、より良い稲を選抜していきます。試験によっては、1つの育苗箱を36等分に細かく仕切り、種類の違う種が隣の区画に入らないようピンセットを使って種をまく作業などもあり、細やかな神経を使う試験方法に驚いていました。
続いて人工交配室に行き、交配作業の流れについて説明を受けました。「つや姫」「雪若丸」の交配から誕生、ブランド化までの道のりについて、スライドによる説明を受けた際には、「品種開発で最も大変だったことは何か」など多くの質問が出され、熱心に学ぶ姿が見られました。また、当研究所正門脇に建てられた「水田技術百年」の記念碑の前では、研究所が100年を超える歴史を持つことに感銘を受けていました。
今後、山形県産米のPRを担っていく「つや姫レディ」の活躍を期待しています。
【水田農業研究所】