つや姫の生育状況や田んぼでの作業の様子、実際作付けしている生産現場から生産者の生の声をレポートしていきます。
2022.02.22
雨水も過ぎましたが、今年も、まだまだ寒い日が続きます。昨日は冬の庄内名物地吹雪が大暴れ。田んぼもすっぽり雪をかぶっています。
今日は、酒田市のつや姫マイスター水落亘さんの所属する農事組合法人砂越グリーンの「スマートつや姫濃密実践モデル地区実績検討会」を行いました。山形県では、人工衛星の画像から「つや姫」の生育診断を行う取組みを進めています。庄内地域では令和3年度からこのシステムの広域実証をスタートし、5か所に「スマートつや姫広域実践モデル地区」を設置しました。砂越グリーンはその1つです。
システムにアクセスし、IDとパスワードを入力すると、田んぼごとに稲の生育状況、生育診断状況が色分けされたマップが表示されます。7月の生育診断時にも確認したマップですが、令和3年産「つや姫」の収量、品質、食味のデータが揃ったこの時期に、衛星のデータと照らし合わせ、振り返りを行いました。
検討会では、「衛星からの生育データを見ると、田んぼごとの生育の違いが見られる。実際に目で見て感じていた生育の違いと合っている。」「従来の栽培管理や生育診断に加え、客観的に見えるツールが増えるのは良い。」「他地区の『つや姫』や、地域の『つや姫』づくりをけん引する生産者の田んぼとも比較し、もっとレベルの高い『つや姫』を栽培したい。」と意欲的な意見が出る活発な検討会となりました。
水落マイスターは、「今年は昨年までと違う田んぼに『つや姫』を作付けする。土壌分析の結果と衛星画像の情報を合わせて、今年の栽培管理計画を練っていきたい」と、「スマートつや姫」に期待を寄せていました。
【酒田農業技術普及課】
2021.11.17
山形つや姫マイスターの会は、最高においしい「つや姫」を生産するマイスターを決定する「『つや姫』おいしさの神コンクール」を初めて開催しました。「山形つや姫マイスター」と、熟練を重ねた「つや姫シニアマイスター」から、合計44点の「つや姫」がエントリー。県内4地域で予選会を行い、勝ち残った8点の「つや姫」が最終審査の対象となりました。
この日、クアハウス碁点(村山市)で行われた審査会では、マイスターの会役員らが実際に「つや姫」を食べ、一番おいしいと思った1点に投票する形で審査が行われました。腕に自信のあるマイスターらが作った「つや姫」ばかりのため、得点はほぼ拮抗状態。最も得点が多かった2点の「つや姫」のみで同点決勝再審査が行われ、「ゴールド(金)マイスター」には鶴岡市の鈴木仁さん、「シルバー(銀)マイスター」には舟形町の豊岡学さん、「ブロンズ(銅)マイスター」には三川町の齋藤学さんが、それぞれ選ばれました。
ゴールドマイスターに輝いた鈴木仁さんは「今年は収穫のタイミングを見極めるのが非常に難しかった。来年もしっかりと稲姿を観察し、適切な管理を行い、最高においしい『つや姫』を生産できるように励みたい」と受賞の言葉を述べました。
高品質・良食味の「つや姫」を全国の皆様にお届けするため、「つや姫」生産者は常に栽培技術を磨き、「つや姫」に掛ける想いを日々強くしています。
これからも山形の「つや姫」にご期待ください!
【山形「つや姫」「雪若丸」ブランド化戦略推進本部】
2021.11.05
今年初開催の「『つや姫』おいしさの神コンクール」は、県内の「山形つや姫マイスター」の中で1番おいしい「つや姫」をつくる”神”を決めるコンクールです。
この日、村山総合支庁(山形市)で村山地域選考会が開催され、村山地域のマイスターの皆さんが、出品した「つや姫」11点を食べ比べ、見た目、香り、食味を審査しました。マイスター自慢の「つや姫」だけあって、どの「つや姫」もレベルが高く、票が割れる大接戦となりました。選考会後、マイスターの皆さんは、「どの『つや姫』もとてもおいしく、選ぶのが難しかった」と話していました。
今回の選考会で選ばれた2点が、11月17日開催の本選に出場し、他の3地域(庄内、最上、置賜)の予選会を勝ち抜いた「つや姫」と頂点を争うことになります。初代「『つや姫』おいしさの”神”」の栄冠は、誰が手にするのでしょうか!楽しみですね。
【北村山農業技術普及課】
2021.10.20
山形県の北部、最上郡金山町で50年以上米づくりを続けているつや姫マイスターの松澤信矢(まつざわしんや)さん。「安全安心で、おいしいお米を消費者の皆さんに食べてもらいたい」と話す松澤マイスターの米づくりには、たくさんのこだわりがあります。今回は、その中から3つをご紹介します。
まず一つ目は、土づくりです。松澤マイスターは、毎年欠かさず田んぼの土の栄養状態を分析しており、そのデータを基にマンガン・鉄・ケイ酸などの栄養素を施用。おいしい「つや姫」が育つ「土」を育てています。
二つ目は、労力を惜しまない栽培管理です。徹底した苗づくりや水管理はもちろん、穂が出る45日前にリン酸やカリウムなど「稲がその時期必要としている栄養素」を施用する、「つや姫」のことを考えた「きめ細かな管理」が、おいしさに繋がっています。
三つ目は、安全安心への取組みです。農業における食品安全、環境保全、労働安全等の持続的可能性を確保するための生産工程管理の世界的な基準「GLOBAL G.A.P.認証」を取得するなど、安全安心への取組みにも力を入れています。
「良い米を作ることは人生のモチベーション。これからも、相手の喜ぶ顔が浮かぶような米づくりをしていきたい」と笑顔で語る松澤マイスター。半世紀以上こだわりの米づくりを行ってきた松澤マイスターの、最高級の「つや姫」をお届けします!
【最上農業技術普及課】
2021.09.30
山形つや姫マイスターの髙橋剛さん(長井市)の「つや姫」の稲刈りが9月27日から始まりました。今年は例年よりも刈取適期(稲刈りを行うタイミング)の判断が難しい年でしたが、髙橋マイスターはこまめに実り具合を確認しており、今年も適期での稲刈りとなりました。
髙橋マイスターは日頃から「つや姫」を高品質・良食味に仕上げることを第一に考え、特に生育をみながら天候にあわせた水管理を徹底してきました。
髙橋マイスターは刈り取った「つや姫」を見ながら、「穂が出始めた頃、低温・日照不足で品質に影響が出ないか心配だったが、今年の『つや姫』も順調に稔っている。乾燥・調整までしっかり行い、最高の『つや姫』を全国の皆さんに届けたい」と力強く語ってくださいました。
まもなく、おいしい「つや姫」をお届けします!
【西置賜農業技術普及課】
2021.09.06
今年から新たに「つや姫マイスター」になられた安達修蔵さん(村山市)は、JAみちのく村山「村山つや姫研究会」の会長を務めており、栽培管理についてアドバイスを求められるなど、地域においても厚い信頼があります。
当研究会では、高品質でおいしい「つや姫」を生産するため、毎年、穂が出る前と稲刈り前の2回、「つや姫」の葉色診断(※)を実施しています。特に葉色については研究会独自の基準を設定し、その基準をクリアした「つや姫」を「プレミアムつや姫」として出荷しています。
この日、安達マイスターをはじめとする研究会の生産者が、JA等の関係者と、全ての「つや姫」の田んぼを巡回し、今年2回目の葉色診断を実施しました。
参加者は、一か所一か所丁寧に葉の色を測り、今年もおいしい「つや姫」が実る稲姿になっていることを確認しました。安達マイスターは「収穫まであと少し!適期に稲刈りを行い、今年も品質が良くおいしい『つや姫』を全国の皆様に届けましょう」と参加した生産者に呼びかけていました。
安達マイスターの熱い情熱が注がれた「つや姫」は、もうすぐ稲刈りを迎えます。今年も“おいしさプレミアム”な「つや姫」を御期待ください!
※葉色(ようしょく)診断…栽培期間中に専用の機器等を使用して葉の色を測定し、稲の栄養状態を診断すること。人間でいうところの健康診断!
【北村山農業技術普及課】
2021.08.31
山形市みのりが丘にある農業総合研究センターでは、「つや姫」「雪若丸」の生育や出穂の状況、収穫のタイミング等に関する情報を、生産者をはじめ、現場で指導する普及指導員等に逐次提供しています。
今年は、7月中旬から8月上旬にかけて気温が高く晴天の日が多かったことから、「雪若丸」は昨年より5日早い7月30日に、「つや姫」は平年より3日早い8月5日に穂が出ました。登熟も進み、今年の収穫は平年より早まる見込みです。
当センターでは早生(わせ)品種の刈取りがすでに始まっており、「つや姫」と「雪若丸」はまもなく収穫の時期を迎えます。高品質・良食味の「つや姫」、「雪若丸」を全国の皆さんにお届けできるように、今後も現場で役立つ情報をタイムリーに発信していきます!
【農業総合研究センター】
2021.07.26
水田農業研究所(鶴岡市)では、毎年田んぼアートを実施しており、今年も「つや姫」と「雪若丸」のロゴマークを描きました。稲穂が出る前の今の時期は、葉の色が一番鮮やかになり、見頃を迎えています。
さて、田んぼアートの後ろの大きなアミ、何だと思いますか?これはアミアート・・・ではなく、これから出てくる稲穂がスズメなどの鳥に食べられないようにするためのものです。稲穂の中にはお米になる前の糊状のデンプンが入っているのですが、これはスズメの好物でもあるため、アミを張らないでいると食べられてしまいます。これから新品種になるような大切な稲穂が鳥に食べられてしまわないように、アミ張りは欠かせません。
このアミは、稲穂が出始めるこの時期からの1か月間、当研究所の田んぼ全体に設置され、その様子は見応え(!?)があります。ぜひ当研究所においでいただき、田んぼアートとあわせてご覧下さい。
【水田農業研究所】
2021.06.22
山形県の南に位置する飯豊町の山形つや姫マイスター島貫祐二氏の「つや姫」は元気に生育し、田面が緑色に染まってきました。
この時期、島貫マイスターは、「つや姫」の生育と天候に合わせたこまめな水管理に細心の注意を払っており、田んぼの「つや姫」も心地よさそうにすくすくと大きくなっていました。
島貫マイスターは、「今の時期は、田んぼの水深を浅く保つことで地温を高め、茎の数を増やす(分げつを促す)ことに専念している。今後は中干しや、穂肥(ほごえ)の作業を行う重要な時期となる。最後まで手を抜かず最高の『つや姫』を皆さんに届けたい。」と「つや姫」を見守りながら力強く語ってくれました。
島貫マイスターが手塩にかけた「つや姫」が食べられる新米の時期が待ち遠しいです。
【西置賜農業技術普及課】
2021.06.21
本県最上地域の八鍬修一さん(鮭川村)は、「つや姫」を作り始めて15年目のつや姫マイスターです。
この時期の八鍬マイスターの栽培のポイントは、土の中の“根”を見ること。「つや姫」の根の張り具合を確認しながら、「根を健全に保つことが重要。そのためには、こまめな水管理を行い稲に無理をさせないこと。」と教えてくださいました。
今年から、自分のスマートフォンでいつでも田んぼの水位や水温を確認できるセンサーを設置し、そのデータを確認しながら、より丁寧な水管理を行っています。
日頃から「食味分析値が良いだけでなく、自分で食べて味に納得のいく『つや姫』を皆さんに食べていただきたい」と言っている八鍬マイスター。順調に生育している「つや姫」の葉が、青空に向かって元気に伸びて風にそよいでいました。
【最上農業技術普及課】
2021.06.17
山形市みのりが丘にある農業総合研究センターでは、※毎年5月20日、同じ田んぼに「つや姫」「雪若丸」の田植えをしています(※「つや姫」「雪若丸」の生育状況を定期的に調査し、そのデータを県内の生産者や現場指導者の技術対策に役立てるため)。
今年は、田植えの後くもりがちの日が続きましたが、6月に入ってからは天候も回復し、「つや姫」「雪若丸」ともに順調に生育しています。
今年から田んぼに「水位センサー」を設置しました。これは、スマートフォンでいつでも田んぼの水位や水温を確認できるもので、これまで以上に詳細な生育データを取得することができるようになりました。
今年もおいしい「つや姫」「雪若丸」を全国の皆様に届けられるよう、県内の生産者や現場指導者の皆さんが必要な情報をタイムリーにお伝えしていきます!
【農業総合研究センター】
2021.06.07
庄内地域では、県農業総合研究センターで開発された「衛星リモートセンシングとWeb GISを活用したつや姫の生育診断技術」の生産現場での実装を目指し、JAや市町等が参画した「スマートつや姫広域実証研究会」を5月13日に設立しました。5月26日には第1回生育診断技術講習会を開催し、実質的な活動が始まりました。
講習会には、庄内地域全域のJA営農指導員や市町職員等が33名参加し、衛星リモートセンシング技術や衛星画像を活用した生育診断技術について学びました。さらに、参加者が自らのスマートフォンを使い、担当する地域の昨年産米の生育診断結果を検索する実演も行いました。画面に映し出された画像を見た参加者からは「こんなことまで、できるのか」と驚きの声が上がっていました。
今後、庄内地域全域に展開する濃密実践モデル地区で技術を実証するとともに、つや姫マイスターをはじめとする生産者を対象とした実演会でこの技術の普及を図り、「つや姫」産地としての評価向上を目指していきます。
【庄内農業技術普及課】