つや姫の生育状況や田んぼでの作業の様子、実際作付けしている生産現場から生産者の生の声をレポートしていきます。
2024.10.30
「つや姫マイスター」3年目となる酒田市の小野貴之さんは、マイスター就任前からJA庄内みどり「本楯地区つや姫研究会」会長を務めており、周りからの信頼が厚い若きリーダーです。「つや姫」の収穫を終え、1年を振り返って「考えられる手はすべて打った。おかげで、最高の『つや姫』に仕上がった。」と満面の笑みで話してくれました。春の水田の土づくりから始まり、夏の高温に負けないように根をしっかりと張る水管理を実施したほか、実りを良くするためにケイ酸資材を施用するなど、天候や「つや姫」の生育に応じた細やかな管理が功を奏しました。「毎年『つや姫』の栽培は難しいが、今年は米粒の充実が良く、味が理想的なレベルになった。」と言うとおり、素晴らしい出来栄えの「つや姫」です。
来年に向けて、「現状に満足していないので、もっと上の品質・食味を目指す。ここ数年は、暑い中での米づくりを強いられており、最後まで稲の健康状態を保つことが非常に難しくなっている。これからも様々なことに挑戦し、自分が納得できる『つや姫』を生産したい。」と、米づくりにかける抱負を語ってくれました。
是非、最高に仕上がった「つや姫」の新米を召し上がって下さい。
【酒田農業技術普及課】
2024.10.21
今年度から、新たに「つや姫」マイスターとなった土屋喜彦さんは、寒河江市で約50haの水稲を作付けする法人の代表で、地域の中心的な生産者です。西村山地域で一番若いフレッシュなマイスターでもあります。
今年の「つや姫」は雨にも負けず、夏の暑さにも負けないように土屋マイスターが熱心に管理して、順調に生育しました。9月は雨の日が続いたため、刈取りに苦労しましたが、品質を落とさないように、「つや姫」を最優先に刈取り、品質・食味が極上に仕上がりました。
「昨年に引き続き猛暑となったため、品質の低下が心配されたが、水管理等を徹底したかいもあり、最高の『つや姫』が収穫できた。」と充実感に満ちた表情で話してくれました。今年はマイスターとして重責を感じながらの「つや姫」栽培でしたが、これまでにないくらい見事な出来栄えであり、納得いく米づくりとなりました。
山形県産「つや姫」の出荷が続々と始まっています。是非、生産者が丹精込めて作った最高の「つや姫」をご賞味ください!
【西村山農業技術普及課】
2024.10.10
置賜地域のつや姫マイスター、小関謙太郎さん(長井市)は、現在、収穫した「つや姫」の調製作業に力を注いでいます。「つや姫」の栽培は14年目を迎え、消費者の皆さんに「おいしい」と実感していただける米づくりに真摯に取り組んでいます。
今年は、梅雨時期の日照不足や夏の猛暑など厳しい天候のなかでの米づくりとなりましたが、小関マイスターは基本を大切にした丁寧な米づくりを心掛けています。収穫時期に降雨が続き、収穫適期となった「つや姫」の刈取りに入ることができずにヤキモキしましたが、晴れ間を見つけては迅速に刈取りを進めました。また、乾燥調製作業にはいつも以上に細心の注意を払い、さらに、色彩選別機を使うことできれいな米粒を選別し、最高品質の「つや姫」に仕上げています。
今、稲刈りが終わった田んぼでは秋耕に取り組んでおり、既に来年の米づくりもスタートしています。「今年の経験を糧に、異常気象にも耐えることができる米づくりを目指して、土づくりに力を入れていきたい」と来年の米づくりに向けて決意を新たにしています。
小関マイスターをはじめ、「つや姫」生産者の皆さんの情熱とこだわりが詰まった山形県産「つや姫」をぜひご賞味ください。
【西置賜農業技術普及課】
2024.09.18
鶴岡市大半田(藤島地区)のつや姫マイスター佐藤浩幸さんは、「つや姫」の刈取りを進めています。
天候に左右されながらも、刈取りの最適期に作業を進めます。その理由は、「つや姫」の品質と食味を最高のものにして仕上げるためです。
実りの進んだ「つや姫」の田んぼを前にして、「苗づくりにはじまって、移植後の日々の水管理や些細な作業に至るまで、昨年の品質低下から立ち直れるように、一つ一つの作業を見つめ直し、高品質・良食味の『つや姫』をと思って春から育てて来た。たわわに実った美しい穂が風に揺れて波打っており、収量・品質が期待できる。」と笑顔で振り返っていただきました。
周りの地域でも「つや姫」の刈取りが最優先で行われています。「つや姫」誕生のまち藤島地区から、最高のお米がもうすぐ全国へ届けられます。楽しみにお待ちください!
【庄内農業技術普及課】
2024.09.06
村山地域マイスターの会では、「つや姫」収穫に向けた圃場巡回を行いました。
訪れた場所は、昨年度の「つや姫おいしさの神コンクール」でゴールドマイスターに輝いた土屋隆志さん(大石田町)、ブロンズマイスターに選ばれた堀吉和さん(朝日町)、東南村山地域代表の小松宏さん(中山町)が管理する圃場です。
丁寧に管理され黄金色に実った「つや姫」の圃場を前にして、マイスター全員で稲の登熟状況や圃場の様子をじっくりと確認し、最適な収穫時期を見極めました。また、これまでに「つや姫」を一層美味しくするために栽培管理で工夫してきたことや、今年の「神コンクール」への意気込みを熱心に語り合っていました。
最後に、適期刈取日を記入した旗を設置して、「最後まで気を抜かず、高品質・良食味の『つや姫』を届けよう!」と気持ちを引き締めていました。
村山地域の「つや姫」収穫は9月15日頃から本格的に始まる予定です。皆さんの食卓に今年も最高の「つや姫」をお届けします。今しばらくお待ちください。
【村山農業技術普及課】
2024.08.09
8月6日、長かった梅雨が明け、酒田市坂野辺新田のつや姫マイスターの佐藤勝さんの田んぼでも稲穂が顔を出し始めていました。「去年の猛暑を教訓に、今まで以上に苗作りとこまめな水管理を心がけている。」と語る佐藤マイスター。「苗作りは気温が高く、管理が難しかった。」とおっしゃっていましたが、今年も苗の上からローラーをかけて苗にストレスを与え、根張りの良い苗に仕上げました。浅水管理や田干しなど、生育状況に合わせた丁寧な水管理にも取り組み、ここまで「つや姫」は順調に生育しています。
佐藤マイスターの今年の「つや姫」はひと味違います。大事な田植え初日。田んぼで準備をしていると、地元保育園の子どもたちから「おいしくなーれ!やー!」と力強いエールをもらいました。「子どもたちからパワーをもらったから、必ずおいしい『つや姫』ができる。」と笑顔で話す佐藤マイスターがとても印象的でした。
佐藤マイスターが手塩にかけて作った「つや姫」が今から待ち遠しいです!
【酒田農業技術普及課】
2024.08.01
のどかな田園風景が広がる山形県川西町で、「つや姫」など水稲約11haを栽培している今野宏典(ひろふみ)マイスター。地元JAの「JA山形おきたま稲作振興会長」も務めています。
今野マイスターは、地元農業高校を卒業後、今野家に代々続く農業を手伝いながら自動車ディーラー等の整備士を経て、2011年に本格就農。整備士時代に、国家資格である自動車整備士の1~3級を取得するなど、多才な一面をお持ちです。一方で、11月に行われる新嘗祭(にいなめさい)の穀物献納者に推薦されるなど、稲作のスペシャリストとして地域から厚い信頼を得ています。
「JA山形おきたまの稲作振興会長になってからは、置賜地域の生産者代表として、東京・名古屋・大阪のデパート等に出向き、消費者との交流や販売促進活動を展開してきた。消費者と生産者の距離を縮められるように取組み、置賜の『つや姫』のおいしさをもっと知ってほしい。」と話す今野マイスター。今年も昨年のような高温が予想されており、対策を万全にしてきました。特に力を入れているのが土づくりで、ケイ酸資材を投入して「つや姫」の光合成能力を高めて食味が向上するように管理しています。もうすぐ出穂期を迎えるため、管理にさらに力が入ります。今野マイスターの思いがこもった、おいしい「つや姫」を楽しみに待っていてください。
【置賜農業技術普及課】
2024.07.19
農業総合研究センター水田農業研究所(鶴岡市)では、出穂前の生育調査を実施しました。
「つや姫」「雪若丸」どちらも、茎数は十分に確保され、栄養状態を表す葉色も良好です。幼穂(穂の赤ちゃん)の発育から見た出穂日は、「つや姫」では8月8日の平年並み、「雪若丸」では7月31日で平年より1日早いと予想しております。
水田農業研究所では、現在の生育を平年と比べたり、幼穂の発達状況を顕微鏡で観察しながら、「つや姫」の生育情報を逐次県内の「つや姫」生産者や関係機関に提供しています。
これから秋の収穫まで、おいしい「つや姫」に仕上げるための重要な管理が続きます。これからも「つや姫」生産者の皆さんの役に立つ情報を提供していきます。
アフターコロナの中で小学生等の見学が増えており、見ごろを迎えた「つや姫」「雪若丸」の田んぼアートを楽しんでいただいています。
【水田農業研究所】
2024.07.09
土屋隆志マイスターは、令和5年度の「つや姫おいしさの神コンクール」で最上位賞のゴールドマイスターに輝いた生産者です。この日、土屋マイスターは「つや姫」の食味に大きく影響する穂肥の量と実施日を決めるため、圃場の状態を確認していました。定番の葉色板のほか、衛星リモートセンシングによる「つや姫」生育管理技術等のスマート農業技術も活用し、「そろそろ丁度良い時期だろう」と真剣な表情です。
土屋マイスターにおいしい「つや姫」栽培の秘訣を伺うと、「基本に忠実に作ることが食味の良い『つや姫』を栽培するポイント。5月15日頃に移植をして、水管理を徹底する。『つや姫』の穂肥に使う有機質肥料は肥効が緩やかなので、遅れないように施用することが重要だ。」と教えてくれました。また、昨年度の明暗を分けた高温対策については、「昨年は記録的な高温となったが、毎年、土づくり資材を施用して、土づくりを行っているので、品質の良い、おいしい『つや姫』を作ることができたと思う。今年も高温になる予報なので、光合成活性の向上が期待できるケイ酸資材を追肥して、登熟の向上と更なる食味のアップを目指したい。」と語ってくださいました。
「毎年、おいしい『つや姫』を作れるように頑張っています。」と笑顔で意気込みを語る土屋マイスターの「つや姫」に今年もご期待ください!
【北村山農業技術普及課】
2024.06.28
早坂英雄さんは、豪雪で有名な「肘折温泉」がある大蔵村で活躍されているつや姫マイスターです。作付面積が「つや姫」「雪若丸」「はえぬき」合わせて11.5haの水稲栽培と、特産のトマト栽培との二刀流で農業に取り組んでいますが、「農業の基盤は稲作である。」と言い切ります。大蔵村の土壌は稲作に適していることに加え、月山から清らかな水が豊富に流れており、これまでに経験のない酷暑となった昨年も、早坂マイスターは巧みな水管理が加わることで、高品質かつ良食味の「つや姫」を生産できました。
人口が少ない村でこれからも農業を行っていくためには、何よりも「仲間づくり」が重要だと早坂マイスターは考えています。確かな技術を持ち、頼りにされている存在でありますが、田植え作業等の繁忙期には、地域の若い人の力を借りているそうで「村内の若い人が協力してくれるおかげで農業ができている。」と謙虚に語ります。
早坂マイスターの「美味しい『つや姫』づくり」の土台には、「仲間づくり」があると感じました。
【最上農業技術普及課】
2024.06.10
山形市みのりが丘にある農業総合研究センターでは、5月20日に作柄診断圃の「つや姫」「雪若丸」の田植えを行いました。今後、10日毎に生育状況を調査・診断します。今年の生育について、茎数の増加程度や草丈の伸び具合、葉色の濃淡など、平年値や過去の値と比較してどのような状況となっているか、県内の生産者や現場指導者の皆様に情報提供していきます。
今年は気温の変動が大きく、育苗ハウスの温度管理に苦労しました。田植え時の苗は葉数がやや多く、苗丈がやや長く、平年よりやや大柄な苗となりました。
田植え後は最低気温が平年より低く経過し、茎の数がやや少ない状況でしたが、現在は天気も回復し生育も順調に進んでいます。
今年も、おいしい「つや姫」「雪若丸」を全国の食卓に届けられるよう、生産者や現場指導者の皆様が必要な情報を、タイムリーにお伝えしていきます!
【農業総合研究センター】
2024.06.10
今年度から、新たに「つや姫」マイスターを委嘱された奥山喜幸さんは、河北町で約40haの水稲を作付けする、地域の中心的な生産者の1人です。
今年は、田植え後にやや低温となったことから、生育の停滞が心配されましたが、奥山マイスターの田んぼでは、丁寧な水管理を行って水温や地温を高め、「つや姫」が生育しやすい環境になるように管理したため、順調に育っています。
「昨年のように猛烈に暑い夏でも、土づくりをしっかり行って、丈夫な苗をつくり、細やかに水管理を行うと、いい米を作ることができると実感した。この考えや技術に基づいて管理を進めたところ、順調に稲が育ってきているので、今後も基本に忠実な米づくりを行って、最高の『つや姫』を消費者にお届けしたい。」と優しい笑顔で話してくれました。
奥山マイスターの今後の活躍と今年の「つや姫」に、是非、ご期待下さい!
【西村山農業技術普及課】
2024.05.17
5月15日、山形市のつや姫マイスター平吹拓也さんが「つや姫」の田植えをスタートしました。苗を育てている間は平年より気温の高い日が続き、苗が徒長しないように管理に苦労されたそうですが、育苗ハウスの温度をこまやかに管理したおかげで、「つや姫」はがっちりとした丈夫な苗に育っていました。
平吹マイスターは、「米づくりは基本的な技術をしっかり行うことがとても大事。イネの根が十分に栄養や水分を吸収できるように田んぼを耕す深さを確保した。これで、天気が変動してもイネが自ら対応できるようになる。次は水の管理をしっかりとやること。田植え後も暑くなりそうなのでこまめに水管理を行い、今年も美味しい『つや姫』を作りたい。」と話してくれました。
出来秋にはおいしい「つや姫」をたくさんの方々にお届けできるよう、大切に育てていきます!
【村山農業技術普及課】
2024.05.14
鶴岡市のつや姫マイスターの加藤健市さんは、5月11日から「つや姫」の田植えをスタートしました。平成19年に「『山形97号』展示圃」を担当して以来、「つや姫」18回目の田植えです。「山形97号」は「つや姫」と品種名が付く前の番号名であり、試験栽培をしている頃から「つや姫」を栽培されています。
4月14日に播種作業を開始した加藤マイスター。苗を育てるハウスが適温になるようこまめに温度管理を行って、健康な苗を育てるために力を入れてきました。播種後の高温や低温を乗り越え、きれいに揃った苗を見て、「今年は暑かったり急に寒くなったりで管理が難しかった。苗を育てる期間全体としては気温が平年より暑い日が続いたから苗の生育が早かった。苗の生育に合わせて移植を前倒した。」と、ほっと息をつきながらおっしゃっていました。加藤マイスターは大規模農家であることから、作業を前倒しするには多大な労力が必要になります。それでも「つや姫」の生育を思って、最適となるように作業計画を調整して実施しています。
令和5年夏の高温の影響で品質低下が見られました。今年は、品質を復活するために例年以上に品質・食味・収量の3拍子揃った「つや姫」を目指しています。県で作成した「『高温少雨対策マニュアル』を参考に技術を再確認し、天候に合わせた圃場管理を行ってリベンジする!」と意気込みを語ってくれました。
【庄内農業技術普及課】
2024.04.18
農業総合研究センター水田農業研究所(鶴岡市)では、桜の花が咲くなか耕起作業がスタートしました。
昨年夏の記録的な高温少雨の影響で、県産米の一等米比率は大きく低下し、「つや姫」はデビュー以来初めて一等米比率が90%を下回る結果となりました。耕す時の深さが浅いと稲の根は高温や乾燥の影響を受けやすくなります。最後までしっかり登熟できる稲となるためには、15cm以上深く耕して根を深く張れるようにすることが大事なポイントです。作業にあたる職員は、勘に頼らず、始めに耕した深さを確認し丁寧に作業を進めています。
当研究所では、気象変動に強い米づくりの基礎となる技術開発に取り組んできました。これからも基本技術を大切にしながら、現場の役に立つ栽培技術の開発に力を入れていきます。
【水田農業研究所】